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# 最新｜コロナ後遺症と潜伏ウイルスを起こす炎症：亜鉛がIL-6の信号を切る
- URL: https://www.japanhealthlab.jp/n30b5f7f031c3/
- Published: 2026-10-29T06:00:00.000Z
- Updated: 2026-10-29T06:00:00.000Z
- Author: Japan Health

IL-17という物質を1種類加えるだけで、眠っていたウイルスが動き出しました。

2026年10月20日に学術誌Journal of Virologyに掲載された研究は、ヒトの潜伏感染B細胞にIL-17Aを加え、エプスタイン・バーウイルス（EBV）が増殖期へ切り替わるかを調べています。結果は、IL-17Aだけで切り替わる、というものでした。

EBVは、ほとんどの人が若いうちに感染し、そのあとはB細胞の中でDNAを静かに保ったまま一生とどまります。この状態が潜伏で、ウイルスが消えたわけではありません。潜伏から増殖期（溶解期）へ移る合図が何なのかは、長く十分に分かっていませんでした。

この研究では、IL-17Aを加えた細胞で、切り替えの引き金になる遺伝子BZLF1とそのたんぱく質Ztaが増え、あとに働く早期・後期の遺伝子も一斉に動き出しました。培養液にはDNaseで壊れないEBVのDNA、つまり殻に包まれたウイルスが出ており、感染力のある粒子の産生も確かめられています。

IL-17はTh17細胞が出す代表的な物質で、炎症が続く組織に多く集まります。慢性的な炎症と、ときどき起こるEBVの再活性化をつなぐ道筋が、受容体の段階から示されたことになります。

## 記事の要点

- ヒトの潜伏感染B細胞にIL-17Aを加えるだけで、EBVの切り替えスイッチBZLF1が増え、感染力のあるウイルス粒子まで作られました。受容体を塞ぐと反応は減りました。
- 低酸素のときに増えるHIF-1αも、BZLF1の調節領域の決まった8塩基に直接結合して増殖期を起こすことが確かめられています。
- 亜鉛はIL-6が使う伝達役STAT3に結合してその形を変え、Th17が育つ一歩手前で合図を切ると報告されています。

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## 潜伏は、ウイルスが消えたことではない

![](https://assets.st-note.com/img/1792926503-ZXMeLkEyxKC38Utd4bHgiq5I.png)

EBVはB細胞の核の中で、自分のDNAを環状にして保ちます。このとき働く遺伝子はごくわずかで、ウイルスの粒子は作られません。免疫はこの状態を見張り続け、たいていは何事も起こりません。

増殖期へ移るには、BZLF1という遺伝子が読まれる必要があります。ここで作られるZtaというたんぱく質が、ウイルスのほかの遺伝子を次々に起動する最初のドミノにあたります。

BZLF1が読まれるかどうかは、その手前にある調節領域（プロモーター）に何が座るかで決まります。細胞の側の条件が、この領域を通してウイルスの運命を決めている、という構図です。

低酸素の研究が、それをはっきり示しました。酸素が足りないときに増えるHIF-1αは、BZLF1プロモーターの転写開始点から-83〜-76にある8塩基の配列に直接結合し、転写を始めます。この8塩基を入れ替えたウイルスでは、HIF-1αを増やしても増殖期は起こりませんでした。

もう一つの最初期遺伝子BRLF1は、HIF-1αでは動きませんでした。腫瘍の中でBZLF1が働いている細胞は、血管から遠い酸素の薄い場所に多く見つかっています。

ここまでをまとめると、潜んでいたウイルスを起こすのは外からの出来事ではなく、細胞が置かれた状態そのものだということになります。

## 炎症の合図が、同じスイッチに届く

炎症が続く組織では、酸素の消費が増えて局所が低酸素に傾きます。そこへIL-17Aの報告が加わりました。酸素の不足を介さずに、炎症の物質そのものが同じスイッチへ届くという道筋です。

IL-17Aが受容体IL-17RAに結合すると、その先でNF-κBとMAPK（ERK1/2・p38）が動きます。受容体を抗体で塞ぐと反応は減り、NF-κBやp38を薬剤で止めても再活性化は弱まりました。非特異的なストレスではなく、受容体からの合図として起きていることになります。

効いたのは、試したIL-17ファミリーの中でIL-17Aだけでした。反応したのも潜伏I型のB細胞モデルに限られ、潜伏II/III型やリンパ芽球様の細胞、EBV陽性の上皮細胞では起こりません。

1 ng/mLという低い濃度では単独では足りず、B細胞受容体からの合図による再活性化を強める働きにとどまりました。炎症の合図は、スイッチの敷居を下げる側としても働いているようです。

NF-κBはB細胞受容体からの合図でも動く配線です。この研究でもB細胞の活性化に関わる遺伝子群が浮かんでおり、炎症の合図とB細胞の合図が同じ交差点を通っていることがうかがえます。

IL-17を出すTh17細胞は、どこから来るのでしょうか。素の状態のヘルパーT細胞がTh17になるには、マクロファージなどが出すIL-23と、IL-6が必要です。IL-6が細胞に届くと、受容体の下でJAK2という酵素が働き、STAT3という伝達役をリン酸化して核へ送ります。

この一連の配線の、どこに栄養素が触れているか。ここから先が本題です。

## 亜鉛は、炎症の合図そのものに手をかける

![](https://assets.st-note.com/img/1792926680-GkNuomQLzZj45ryP7OaSIlJv.png)

亜鉛がIL-6の配線に触れる場所は、STAT3そのものでした。亜鉛が結合するとSTAT3のらせん構造が変わり、JAK2との結合と、受容体側のリン酸化された部分との結合が壊れます。合図を受け取る側の形が変わるので、リン酸化が進まなくなります。

関節炎を起こしたマウスでは、亜鉛の投与でTh17細胞の発生が抑えられました。IL-6によるSTAT3の活性化も、試験管内でのTh17の分化も、どちらも亜鉛で抑えられています。

言いかえると、亜鉛はIL-6という合図を鳴らす側ではなく、受け取る側のスイッチの形を変えて切っているということです。

もう1か所は、Th17を育てる側のIL-23でした。マクロファージが炎症型（M1）に傾くと、亜鉛を運ぶ輸送体の顔ぶれが変わり、細胞の中の遊離亜鉛が減ります。この状態を薬剤で再現すると、IL-23p19というサブユニットの発現が上がりました。

その引き金になっていたのが、IRF5という転写因子の核への集積です。亜鉛が足りない状態ではIRF5が核に集まり、IL-23が増え、Th17が育ちやすくなります。マウスの大腸炎では、亜鉛欠乏で実際にTh17が増え、炎症が悪化していました。

同じ配線に触れる栄養素は、ほかにもあります。HIF-1αを壊す酵素は、鉄とビタミンCを使う種類の酵素で、鉄が足りなければHIF-1αは分解されにくくなります。実際に、鉄を奪う薬剤で細胞のHIF-1αを増やすとEBVの増殖期が起こり、ビタミンCはこの酵素の鉄を働ける形に保つ役割で知られています。

## 炎症が続くと、亜鉛は血から引き上げられる

炎症と亜鉛の関係には、もう一方向の矢印があります。炎症やLPSを与えたマウスの肝臓では、亜鉛の輸送体のうちZip14の遺伝子がいちばん強く増えました。

Zip14は肝細胞の細胞膜に現れ、亜鉛を細胞の中へ取り込みます。その結果、血液中の亜鉛は下がります。IL-6を欠くマウスでは低亜鉛血症もZip14の増加も起こらず、この動きがIL-6によることが示されました。

つまり、炎症が続くと血液の亜鉛は肝臓へ移され、血中の値は下がります。亜鉛が足りないとIL-23が増えてTh17が育ちやすくなり、Th17が出すIL-17はEBVのスイッチを押す。炎症が亜鉛を奪い、亜鉛の不足が炎症を助ける向きに働く、という円環です。

ここで注意したいのは、血液の亜鉛は体内の亜鉛のおよそ0.1%にすぎないことです。血中の値が基準内でも、細胞の中の遊離亜鉛が足りているとは限りません。上のマクロファージの実験も、下がっていたのは細胞内の遊離亜鉛でした。

逆向きの報告もあります。難治性のいぼの患者25人では、血清のIL-17も亜鉛もどちらも低い値でした。IL-17は過剰でも不足でも困る物質で、「多いほど悪い」と単純には言えません。

## 食卓で、亜鉛をどう積み上げるか

![](https://assets.st-note.com/img/1792926881-Pp6YekoQF8StE7Ww2vDfzVrx.png)

亜鉛は体内で作れないので、毎日の食事から入ります。日本食品標準成分表（八訂）増補2023年では、可食部100gあたりの亜鉛は、かき（養殖・生）で14.0mg、豚のレバー（生）で6.9mg、いりごまで5.9mg、交雑牛のもも赤身（生）で4.8mg、糸引き納豆で1.9mg、鶏卵の全卵（生）で1.1mgです。

1食分に直すと、牡蠣60gでおよそ8.4mg、牛もも80gで約3.8mg、納豆1パック40gで約0.8mg、卵1個50gで約0.6mgになります。

日本人の食事摂取基準（2025年版）の推奨量は、成人男性で9.0〜9.5mg、女性で7.0〜8.0mg。耐容上限量は男性40〜45mg、女性35mgです。令和6年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の平均摂取量は男性9.0mg、女性7.5mgでした。

平均は推奨量と同じくらいですが、これは全員が足りているという意味ではありません。食事量が少ない人、主食と加工食品に偏っている人、腸に炎症を抱えている人では、入りも保ちも落ちます。

吸収の面では、動物性食品の亜鉛のほうが取り込まれやすく、穀類や豆のフィチン酸は吸収を妨げます。発酵や浸水でフィチン酸は減るので、納豆や味噌のような形は相性がよい食べ方です。

サプリメントで補う場合は、上限量を超える量を長く続けると銅の吸収が落ちることが知られています。食品から積み上げるほうが、炎症のある人にとっても扱いやすい入口です。

## まとめ

潜伏しているウイルスは、消えているのではなく、起こされるのを待っています。そのスイッチは、酸素の薄さや炎症の物質といった、細胞が置かれた状態によって押されていました。

IL-17Aを1種類加えるだけでEBVが増殖期へ動き、受容体を塞ぐと反応が減った今回の研究は、慢性的な炎症とウイルスの再活性化が同じ線の上にあることを示しています。

その線の途中で、亜鉛は3か所に触れていました。IL-6の合図を受けるSTAT3の形を変え、マクロファージのIL-23を抑え、そして炎症が続くと自らは肝臓へ引き上げられて血液から減っていきます。

どれも動物とヒトの細胞で確かめられた段階で、人で炎症と再活性化が亜鉛によって変わるかは、まだ確かめられていません。

それでも、食卓でできることははっきりしています。牡蠣や赤身肉、ごま、納豆で推奨量の9mg前後に届かせ、炎症が長引いている時期ほど、入る量を落とさないようにしておく。ウイルスを起こす合図の側に、食事が触れているからです。

## 参考文献

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