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# 寝る前の電子書籍でメラトニンが90分遅れた：光を感じる分子はビタミンAでできている
- URL: https://www.japanhealthlab.jp/nbe674cada423/
- Published: 2026-10-27T06:00:00.000Z
- Updated: 2026-10-27T05:59:59.000Z
- Author: Japan Health

紙の本のページは、自分では光りません。部屋の明かりを跳ね返して、文字を目に届けています。タブレットの画面は、その逆に、画面そのものが光を放って目に向けて送り出しています。同じ小説を同じ時間読んでも、目に入る光の量と色は大きく違います。

この違いが体内時計にどこまで響くのかを、病院の研究施設に泊まり込んで確かめた研究が、2015年に米国科学アカデミー紀要（PNAS）に報告されています。健康な若い成人12人が、寝る前のおよそ4時間、最大の明るさにしたiPadで読む5晩と、紙の本で読む5晩を、順番を入れ替えて両方経験しました。

結果は、iPadで読んだ晩に眠りを促すホルモン、メラトニンの夜の分泌が約55%抑えられ、翌日の分泌の始まりは紙の本より約90分遅れていました。一方、その後の研究では、昼間に明るい光を浴びていた人や、読む時間の短い条件では、はっきりした差が出ていません。光で時刻を合わせる体の仕組みと、その光を受け取る分子の材料になる栄養素まで、順に見ていきます。

## 記事の要点

- 寝る前約4時間のiPad読書で、紙の本に比べメラトニン分泌の開始が約90分遅れ、寝つきは約10分長くなりました。
- 昼間に明るい光を浴びた後の2時間の読書や、スマートフォンの画面の色を変える機能では、睡眠に差が出なかった研究もあります。
- 夜の光を感じる網膜の色素メラノプシンは、ビタミンAからできるレチナールを抱えて光を受け取っています。

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## 紙の本とiPadで、同じ人の体内時計を比べた

![](https://assets.st-note.com/img/1792797718-RHObUICet2g3pvmVohGDZiE7.png)

報告したのは、チャン氏らの研究グループです。参加者は平均約25歳の12人（女性6人）で、14日間施設に滞在しました。寝る時間は毎晩22時から翌朝6時に固定され、読書のあいだ部屋は約3ルクスという、ごく薄暗い明かりに保たれました。

メラトニンは1時間ごとの採血で測られています。各条件の5晩目の血中メラトニン量を、翌日の同じ時間帯に薄暗い部屋で測った量と比べたところ、iPadの条件では平均55.12%低く、紙の本の条件では抑制は見られませんでした。つまり「紙の本より55%少ない」という単純な比ではなく、本人の薄暗い環境での値と比べた抑制の割合です。

体内時計の目印になる「薄暗い光のもとでメラトニンが出始める時刻」は、iPadの条件の翌日が平均22時31分、紙の本の条件の翌日が21時01分でした。眠りの指示が1時間半ほど後ろへずれたことになります。

眠りにも違いが出ています。明かりを消してから眠りに入るまでの時間は、iPadの条件で平均25.65分、紙の本で15.75分でした。夢を見ることの多いREM睡眠は109.04分と120.86分で、iPadの条件のほうが約12分短くなっていました。

読書中のiPadの条件では、寝る1時間前の眠気が弱く、脳波も覚醒寄りでした。ところが翌朝は逆で、iPadで読んだ後のほうが眠気が強く、紙の本の条件と同じ目覚めの度合いになるまで何時間も多くかかったと報告されています。総睡眠時間、睡眠の効率、REM以外の睡眠時間には、条件による差はありませんでした。

光を測ると、iPadの光は約450ナノメートル、つまり青い光のあたりに最も強い山がありました。紙の本から跳ね返る光の山は612ナノメートルで、赤みの側です。夜に画面を見続けた体は、その光を「まだ昼が続いている」という合図として受け取っていた、ということになります。

## 後の研究では、差が出なかった条件もある

この結果のあと、条件を変えて確かめた研究がいくつか出ています。

ロングテル氏らは2016年、14人を対象に、日中約569ルクスの明るい光を6.5時間浴びてもらった後、21時から23時までの2時間、タブレットか紙の本で小説を読む比較を報告しました。この条件では、寝る前の唾液のメラトニンにも、睡眠の測定値にも、読み方による差は見られませんでした。

研究グループは、昼間の明るい光が夜の光への反応を弱めるという過去の報告を挙げ、昼間に光を浴びることが夜の画面の影響を和らげる助けになるかもしれないと述べています。ただし、この試験は夜の読書時間も2時間と短く、昼の光だけの効果は切り分けられていません。研究グループ自身も、より大きな集団での確認が必要としています。

デュラッチオ氏らが2021年に報告した試験では、18〜24歳の167人を、寝る前1時間にiPhoneをNight Shift（画面を暖色に寄せる機能）ありで使う群、なしで使う群、使わない群に分け、7晩の睡眠を手首の機器で記録しました。全体では3群の睡眠に差がなく、Night Shiftの優位性は示されませんでした。

この試験を後から層別に分けた探索的な解析では、ふだん平均6.8時間より長く眠っている人に限ると、スマートフォンを使わない群の睡眠効率と、眠った後に目が覚めている時間が最もよい結果でした。一方、この試験のスマートフォン群は最低の明るさで使っており、メラトニンは測られていません。

3つを並べると、最大の明るさの画面を長く見た最初の研究では大きな差が出て、明るさ・時間・昼間の光の条件が変わると差は見えにくくなっていました。画面の色だけを変える工夫は、少なくとも睡眠の測定値では差になっていません。夜の光の影響は、色だけでなく、明るさと時間、そして昼にどれだけ光を浴びたかの組み合わせで決まる、と考えるのが自然です。

## 夜の光を感じているのは、網膜の小さな細胞

![](https://assets.st-note.com/img/1792797735-sjIVE9QbgLYafSkwzBxGPMTe.png)

画面の光がメラトニンに届くまでの入口は、目の奥の網膜にあります。網膜には、物の形や色を見る細胞とは別に、光の量そのものを測って体内時計へ伝える細胞があります。この細胞が持つ光の受け手が、メラノプシンという色素たんぱく質です。

メラノプシンが働くには、レチナールという小さな分子が欠かせません。レチナールはビタミンAからつくられる分子です。

マウスの網膜から、メラノプシンを持つ細胞だけを集めて調べた研究では、暗いところのメラノプシンはレチナールのうち「11-シス型」という曲がった形だけを抱えていて、光が当たるとそれが「全トランス型」というまっすぐな形に変わることが確かめられています（2008年、PNAS）。

鍵穴に差した鍵が、光で形を変えて回るようなものです。実際には、レチナールの形が変わることでメラノプシン全体の形が変わり、細胞の中に信号が流れて、体内時計の中枢へ「いま明るい」という知らせが送られます。その知らせが夜に届くと、メラトニンをつくる松果体へのゴーサインが止まります。

夜の画面を見ているとき、体の中では、ビタミンAからできた分子が光のたびに形を変え、時計の針を止める合図を出し続けています。

## 長く光を浴びるほど、レチナールの補充が要る

一度形を変えたレチナールは、そのままでは次の光に反応できません。曲がった11-シス型へ戻す必要があります。物を見る細胞では、網膜の外側にある色素上皮という層が、このビタミンAの形の戻しを担っています。メラノプシンは自分で形を戻す力も持つと考えられてきましたが、それだけで足りるのかが問われてきました。

ジャオ氏らは2016年、ラットの網膜を使った実験で、色素上皮が付いたままだとメラノプシンの反応が長い光でも持続し、色素上皮を外したり、レチナールを戻す回路の働きを薬で止めたりすると、反応がすぐに弱まることを報告しています。マウスとラットの瞳孔の反射でも、回路を止めると強い光が続いたときの反応が大きく下がりました。

色素上皮を外した網膜に、11-シス型のレチナールに似た分子を与えると、反応は再び長く続くようになりました。研究グループは、長く強い光を受けている間、メラノプシンは色素上皮から運ばれてくるレチナールに一部頼って働き続けると結論づけています。

一方、2006年に報告されたマウスの研究では、物を見る細胞を失ったマウスで同じ回路を止めても瞳孔の反射は変わらず、メラノプシンの細胞はこの回路がなくても光を感じられるとされています。強く長い光のときに補充が要るのか、ふだんの光ではどうなのか、研究の条件によって見え方が分かれています。

どちらも動物の網膜で確かめられた話で、人でビタミンAが足りないと夜の画面の影響が変わるかどうかは、まだ報告されていません。ビタミンAを多くとれば画面の影響を打ち消せる、という話でもありません。光を感じる仕組みの一部がビタミンAからできている、ということが分子の単位で確かめられている段階です。

光を感じた後のメラトニンづくりにも、別の栄養素が関わっています。材料のアミノ酸トリプトファンからセロトニンをつくる途中の酵素は、ビタミンB6からできる補酵素を使います。

セロトニンを最後にメラトニンへ変える工程では、葉酸とビタミンB12が支えるメチオニンの代謝から生まれる「メチル基」という小さな目印が付け足されます。

まとめると、光を感じる入口にはビタミンA、メラトニンをつくる工場にはB6・葉酸・B12がそれぞれ関わっています。

## ビタミンAを食卓でとるには

![](https://assets.st-note.com/img/1792797750-VMJwh8iYdv7elSs3PQZ94By2.png)

日本人の食事摂取基準（2025年版）では、ビタミンAの1日の推奨量は、成人男性で800〜900μgRAE、成人女性で650〜700μgRAEです。RAEは、食品のビタミンAとβ-カロテンなどを、体の中での働きに合わせて一つの単位にそろえた数え方です。

令和6年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の平均摂取量は男性533μgRAE、女性495μgRAEでした。平均では、男女とも推奨量に届いていません。

日本食品標準成分表（八訂）増補2023年の値で、100gあたりのビタミンAは、にんじん（皮なし・生）690μgRAE、ほうれんそう（ゆで）450μgRAE、鶏卵（全卵・生）210μgRAE、うなぎのかば焼き1,500μgRAE、鶏レバー（生）14,000μgRAEです。

ふだんの量にすると、にんじん50gで約350μgRAE、ゆでたほうれんそう70gで約320μgRAE、卵1個（50g）で約100μgRAEになります。

緑黄色野菜のβ-カロテンは、体が必要な分だけビタミンAに変わります。一方、レバーやうなぎに多いレチノールは、成人で1日2,700μgRAEという耐容上限量が定められています。

鶏レバーは20gで上限に届くほど多いので、毎日の主菜にするより、ときどき取り入れるくらいが向いています。サプリメントのビタミンAをとる場合も、この上限を確かめておきたいところです。

食卓での工夫と並べたいのが、光の使い方です。夜の読書は紙の本か、画面なら明るさを下げて時間を短めにし、寝る前の数時間は部屋の明かりも落とす。昼間は外の光を浴びる時間をつくる。最初の研究で大きな差が出たのは、最大輝度の画面を薄暗い部屋で4時間見続けた条件でした。

これらの研究はいずれも少人数で、最初の研究は最大の明るさ・長時間という強い条件です。ふだんの短いスマートフォン使用に、55%や90分という数字をそのまま当てはめることはできません。また画面の光は色と明るさの両方が紙と違っており、どちらが効いたのかは分けられていません。

## まとめ

メラトニンの量だけでなく、出始める時刻も光で決まっています。最大の明るさのiPadを寝る前に4時間読んだ実験では、その時刻が1時間半遅れ、寝つきは遅く、翌朝の眠気は強くなりました。昼の光を浴びた後の短い読書や、色を変えるだけの機能では、差が出ない結果も報告されています。

その光を受け取る入口のメラノプシンは、ビタミンAからできるレチナールを抱え、光のたびに形を変えて体内時計に知らせています。日本人のビタミンAの平均摂取量は推奨量を下回っています。

にんじんや青菜、卵を日々の献立に入れて光を感じる分子の材料をそろえ、夜は画面を暗く短く、昼は外の光を浴びる。材料と光の両方から、眠りの時刻を整えていけます。

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## 参考文献

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