加齢とともに気になってくる、夜中のトイレの回数や尿の勢い。前立腺肥大症は特殊な病気ではなく、60歳を超える男性の半数以上、80歳を超えるとおよそ8割に何らかの形でみられると報告されています。
頻尿や尿意切迫感、残尿感といった症状は生活の質に直結するため、尿の通りをよくするα遮断薬や、前立腺そのものを縮小させる5α還元酵素阻害薬といった薬物療法が広く使われていますが、めまいや性機能への影響などから長く使い続けることをためらう方も少なくありません。
こうしたなかで近年注目されているのが、前立腺肥大症を慢性的な炎症という切り口からとらえ直す考え方です。
2026年6月、欧州の臨床薬理学専門誌に、ウコン由来の成分クルクミンと前立腺肥大症の関係を697人分のデータでまとめたメタ解析が発表されました。
記事の要点
前立腺肥大症の患者697人分のデータを統合した解析で、クルクミン補給によりIPSS(国際前立腺症状スコア)が有意に改善したと報告されています。
効果はα遮断薬のみを使っている人でより大きく、5α還元酵素阻害薬も併用している人では上乗せの効果は目立たなかったといいます。
症状改善の背景には、前立腺の慢性的な炎症を抑えるNF-κB経路の働きが関わっている可能性が指摘されています。