最新|カカオが強かったのは記憶より気分だった:8週間でうつスコアが2.3点下がった

最新|カカオが強かったのは記憶より気分だった:8週間でうつスコアが2.3点下がった

チョコレートは脳にいいという話は、これまで何度も耳にしてきました。ただ、脳の何にいいのかと問い直すと、はっきり答えられる方は多くないのではないでしょうか。記憶でしょうか、集中力でしょうか、それとも気分でしょうか。

カカオの研究はこの十数年で相当な数にのぼりますが、その中身は血管の話、抗酸化の話、認知症予防の話と、あちこちに散らばったままでした。

その散らばりを一本にまとめようとしたレビューが、2026年8月12日に栄養学の専門誌『Frontiers in Nutrition』へ発表されました。

Leping Liらの研究チームによるもので、カカオポリフェノールが脳へ届くまでの道筋を、BDNFという神経の栄養因子、脳の血流、そして腸内細菌という三つの側からたどっています。

そこにこれまでのヒトの試験を並べていくと、ひとつの輪郭が浮かび上がります。カカオがいちばんはっきり動かしたのは、記憶のテストの点数ではなく、気分の側だったのです。

記事の要点

  • 2026年8月に『Frontiers in Nutrition』へ発表されたレビューで、カカオポリフェノールがBDNF/CREBという神経の栄養因子の経路を通じて脳へ働きかける仕組みが示されました。

  • 閉経後の女性60人がカカオ78%のダークチョコレートを1日12g、8週間食べた試験では、うつの点数が平均2.3点下がったと報告されています(P=0.003)。

  • 一方、573人と2262人を対象とした大規模なCOSMOS試験ではカカオ抽出物による全般的な認知機能の改善は確認されず、変化がはっきり見えたのは気分と腸内細菌の側でした。