クレアチンと聞いて思い浮かぶのは、おそらくジムの光景でしょう。筋力トレーニングをする人が飲むもの、という位置づけが長く定着してきました。ところがここ数年、この成分の名前が出てくる場所が明らかに広がっています。
脳のエネルギー代謝、更年期の不調、腸管の粘膜。そして2026年6月にiScienceへ発表されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の報告では、免疫の司令塔と呼ばれる細胞が舞台になりました。
がんと戦う免疫の仕組みの、これまで注目されてこなかった場所にクレアチンが関わっていた、という内容です。
記事の要点
腫瘍の中にいる樹状細胞はクレアチンの取り込みを大きく増やし、その働きをクレアチンに依存していることがUCLAの研究チームによって報告されました。
クレアチンの輸送体を失った樹状細胞は生存・活性化・T細胞を動かす力のいずれも低下し、逆にクレアチンを補うと樹状細胞の活性化とT細胞を促す力が高まったとされています。
メラノーマのマウスにクレアチンを投与すると腫瘍の増殖が明らかに鈍り、腫瘍に入り込む樹状細胞の数と活性が増えたと報告されました。細胞とマウスでの研究段階です。