膀胱がんは、世界でもっとも多いがんのひとつに数えられます。2020年だけで約57万3千人が新たに診断され、21万2千人が亡くなったと報告されています。治療を受けたあとも約7割の人が再発を経験するとされ、体にも社会にも重くのしかかるがんです。
その膀胱がんと、ある栄養素の不足との関係に、あらためて光が当たっています。ビタミンDです。
デンマークの健康専門メディア Health and Science は2026年6月、医学誌 Cancer Medicine に発表された大規模なレビュー論文を取り上げ、血中のビタミンDが少ない人ほど膀胱がんやそのほかのがんになりやすい、という関連を紹介しました。
ビタミンDは骨の栄養素というイメージが強いかもしれません。けれども実際には、全身の細胞がこの栄養素を必要としていて、健康に関わる遺伝子のおよそ1割の働きを左右しているとも言われています。
今回はこの新しい報告をたどりながら、ビタミンDとがんの関係を見ていきます。
◼️記事の要点
アンブレラレビューでは、血中ビタミンDが30nmol/L未満と極端に低い人で膀胱がんのリスクが高まり、30を超えると一定の保護が見られたと報告されています。
ビタミンDは、がん細胞の増殖を抑える働きや免疫の強化、炎症と酸化ストレスの調整など、複数の仕組みでがんに関わると説明されています。
著者らは、健康とがん予防に十分な血中濃度として75nmol/L超を挙げ、その活性化にはマグネシウムも必要だと書いています。