ビタミンCは抗酸化作用がある。これは多くの方がご存じかと思います。しかし、なぜ抗酸化が老化抑制につながるのか、そのメカニズムは長年はっきりしていませんでした。
2026年4月、Cell Metabolism誌に掲載された最新の論文では、これまでの活性酸素を中和するという漠然としたイメージを書き換える、驚くべき発見が報告されています。
それは、ビタミンCが「ACSL4」という特定の酵素に直接結合し、その働きを阻害することで、鉄が引き起こす老化のプロセスを抑えているという仕組みです。
しかも、サルに40か月間ビタミンCを毎日与え続けたところ、脳・筋肉・肝臓・膵臓など全身で「生物学的年齢」が若返る方向に変化したことも、複数の解析手法で確認されました。
今回は、この画期的な研究についてご紹介します。
論文タイトル
Vitamin C inhibits ACSL4 to alleviate ferro-aging in primates
(ビタミンCはACSL4を阻害することで霊長類のフェロエイジングを緩和する)
Cell Metabolism, Volume 38, Pages 673-693, April 7, 2026
DOI: 10.1016/j.cmet.2026.02.010
Liu L, Zheng Z, You W, et al.
記事の要点
- 加齢に伴って全身の組織に鉄が蓄積し、それが脂質の酸化(過酸化)を進めることで細胞の老化を促進する「フェロエイジング」という新しい老化経路が存在する。
- この経路の中心的な役割を担うのが「ACSL4」という酵素で、ビタミンCはこの酵素に直接結合して働きを抑えることが明らかになった。
- 12〜16歳のカニクイザルに40か月間ビタミンCを経口投与したところ、複数の臓器で生物学的年齢が若返り、脳構造・代謝機能・脂質プロファイルの改善が確認された。