自己免疫疾患は、体が自分自身を攻撃してしまう病気だと説明されます。では、その攻撃されている「自分」とは、体のどの部分なのでしょうか。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、血液中にさまざまな自己抗体が現れ、皮膚、関節、腎臓、血液、神経と全身に症状が及ぶ病気です。若い女性に多く、発症は10万人あたり年に5.14人ほど、有病率は地域によって10万人あたり0人から241人までと幅があると報告されています。
遺伝的な性質、環境、感染などが重なって起きると考えられていますが、詳しい成り立ちはまだ分かっていません。
2024年9月、Diseases誌に、この病気を細胞の中の一点から読み直したレビューが掲載されました。ロシアのアテローム性動脈硬化研究所などの研究チームによるもので、扱っているのはミトコンドリアです。
エネルギーを作る器官として知られるあの部品が、自己抗体に狙われる標的そのものだった、という話でした。
記事の要点
全身性エリテマトーデスの免疫細胞では、ミトコンドリアが出す活性酸素が過剰になり、傷んだミトコンドリアを片づける仕組みが滞っていると報告されています。
酸化したミトコンドリアDNAそのものが自己抗原となり、それを標的にした抗体が実際に患者の血液から見つかっています。
治療の候補に挙がっているのは、グルタチオンの材料であるNAC、電子の受け渡しを担うCoQ10、イタドリ由来のピセイドなど、栄養と重なる成分でした。