慢性腎臓病、いわゆるCKDは、腎臓の働きがゆっくりと低下していく病気です。進行すると透析や腎移植が必要になり、生活の質にも大きく影響します。
世界で約8億5000万人が腎臓の病気を抱えているとされ、日本でも成人の8人に1人がCKDと推計される、まさに国民病と呼べる状態です。
日本では糖尿病や高血圧を背景としたCKDが増えており、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づいたときにはかなり進行しているケースも少なくありません。
そんな中で注目されているのが、酸化ストレスを抑える栄養素を使った補助療法です。
今回ご紹介するのは、インドで行われた多施設共同の二重盲検ランダム化比較試験で、Nアセチルシステイン(NAC)とタウリンの併用が、CKDの進行を遅らせる可能性を検証した研究です。
論文タイトル
The Efficacy and Safety of N-acetylcysteine and Taurine (Nefrosave®) in Chronic Kidney Disease: A Double-Blind, Multicenter, Placebo-Controlled Trial (DELAY-CKD)
記事の要点
- CKDステージ1から3の患者80人を対象に、NAC150mgとタウリン500mgの配合製剤を1日2回、180日間にわたって投与した比較試験
- 尿中アルブミン/クレアチニン比、すなわちuACRが併用群で18.57%低下し、特に微量アルブミン尿の患者では34.09%の減少という統計的に有意な改善が確認された
- 血清シスタチンCも併用群で21.46%低下し、重大な副作用もなく安全性が確認された