心の不調というと、まっさきに思い浮かぶのは「うつ」かもしれません。けれど気分の落ち込みだけでなく、理由のはっきりしない不安、つらい記憶がふとよみがえる感覚、そうした心のゆらぎも、多くの人が静かに抱えているものです。
こうした「うつ以外」の心の不調に、日々の食事で摂るミネラルがどう関わっているのか、それを19万人という大きな集団で一度に見わたした報告が、2026年に届きました。
しかも、関わっていたミネラルは不調の種類ごとに違っていた、というのが興味深いところです。鉄やマグネシウムがうつと、亜鉛がPTSDと、マンガンが自傷と。心の不調とミネラルの、これまで見えにくかった地図が少し描けてきました。
記事の要点
イギリスの成人19万9,877人を中央値13年追ったUK Biobankの解析で、鉄・マグネシウム・セレンをよくとる人ほどうつを発症しにくく、亜鉛をよくとる人ほどPTSD、マンガンをよくとる人ほど自傷のリスクが低いという関連が報告されました。
一方でカルシウムは、うつや不安のリスクがやや高いほうと関連しており、ミネラルは「多ければよい」という単純な話ではないことも示されています。
これは食事と心の健康を長期間追った観察研究で、因果を確定したものではありませんが、鉄・マグネシウム・亜鉛・セレンの保護的な関連は女性でより強くみられたと整理されています。