最新|脳内ヒスタミン地図が示す精神疾患との接点:King's College London発の最新研究

最新|脳内ヒスタミン地図が示す精神疾患との接点:King's College London発の最新研究

ヒスタミンと聞くと、多くの方が花粉症やアレルギーの薬で抑える物質、というイメージをまず思い浮かべるのではないでしょうか。

確かにヒスタミンはアレルギー反応の主役として有名ですが、実は脳の中でも神経伝達物質として働き、睡眠覚醒、記憶、情動、ストレス応答などに深く関わっていることが少しずつ明らかになってきました。

2026年5月12日、英国King's College Londonとポルトガル・ポルト大学の共同研究チームが、脳内ヒスタミンシステムの初の多スケールマップを作成し、学術誌「Nature Mental Health」に発表しました。

脳のどの領域に、どのタイプのヒスタミン受容体が、どのニューロンに分布しているのかを統合的に描き出した研究で、ADHDやうつ病など複数の精神疾患の脳構造変化と重なるパターンが見えてきたとされています。

今回はその内容を整理しながら、日々の生活で意識できる視点を見ていきます。

記事の要点

  • 脳内のヒスタミン関連遺伝子は、前頭葉や辺縁系といった情動・記憶・意思決定に関わる領域で高く発現していることが確認されました。
  • H1・H2受容体は興奮性ニューロンに、H3受容体は抑制性ニューロンに優先的に存在し、脳の興奮と抑制のバランスに関わっている可能性が示唆されています。
  • ADHD、大うつ病性障害、統合失調症、神経性食欲不振症の脳構造変化と、ヒスタミン関連遺伝子の発現パターンに重なりが見られました。