毎日の食事を思い浮かべてみてください。ごはんに味噌汁、それから何品のおかずが食卓に並んでいるでしょうか。一汁三菜という言葉があるように、和食はもともと品数の多さを特徴としてきました。
この品数の多さこそが、日本人の長寿を支えてきた要素の一つではないか。そんな仮説に、新しい研究がデータで踏み込みました。
2026年5月、栄養学の専門誌Nutrition Journalに、北海道大学の高林さえか先生らによる研究が掲載されました。テーマは、一日の食事に登場する料理の品数と、心血管疾患のリスク要因との関連です。
脂質異常や高血圧、肥満といった、将来の心臓病や脳卒中につながりうる要因に対して、おかずの数がどう関わっているのかを、全国規模の調査データから読み解いた内容になっています。
これまで、和食が心血管疾患による死亡を減らす方向に働くことは数多く報告されてきました。けれども、その和食の特徴である品数の多さそのものに注目し、リスク要因との関係を直接調べた研究は多くありませんでした。
今回の研究は、その空白を埋めようとする試みです。日々の食卓の組み立て方を見直すヒントとして、内容を一緒に見ていきましょう。
記事の要点
- 全国健康・栄養調査のデータをもとに、一日の食事に登場する料理の品数と心血管疾患リスク要因の関連を調べた研究で、品数の多い人ほど高齢・非喫煙・運動習慣ありの傾向が見られたと報告されています。
- 男性では品数の多いグループで脂質異常のリスクが低く、女性では最も品数の多いグループで過体重や肥満のリスクが低く、加えて高血圧のリスクも低い傾向が示されたとされています。
- これらの関連は統計的な厳密補正を行うと有意差としては残らなかったものの、品数の多い食事が複数の心血管リスク要因と逆相関する可能性が示唆されたとまとめられています。