ビタミンUという名前を聞くと、ビタミンCやビタミンB群のような必須栄養素を思い浮かべるかもしれません。
ただ、ビタミンUは現在の栄養学でいう正式な必須ビタミンというより、キャベツの搾り汁から見つかったS-メチルメチオニン、あるいはメチルメチオニンスルホニウムクロリド(MMSC)として知られる含硫化合物です。
この成分が面白いのは、古くから胃粘膜と結びついて研究されてきた一方で、近年は高脂肪食を与えたマウスで糖代謝や肝臓の遺伝子発現に関わる可能性も報告されている点です。
キャベツ、ブロッコリー、アスパラガス、セロリ、トマト、ビーツなど、身近な植物性食品に含まれる成分を、あらためて胃を守る、粘膜を整える、代謝を読む、という視点で見直すと、野菜の価値が少し立体的に見えてきます。
記事の要点
- ビタミンUは、キャベツの搾り汁から注目されたS-メチルメチオニン系の成分で、正式な必須ビタミンというより「ビタミン様物質」として理解すると整理しやすい成分です。
- 研究の中心は長く胃粘膜でした。古典的なヒト研究では、MMSCを含む硫黄含有成分が十二指腸潰瘍の治癒や再発率に関わる可能性が報告されています。
- 2025年には、高脂肪食を与えたマウスでS-メチルメチオニン摂取が空腹時血糖、インスリン、HOMA-IRなどの指標を改善し、肝臓の遺伝子発現にも変化をもたらしたと報告されました。