副甲状腺機能低下症と食事:カルシウムとリンを整える栄養の視点

副甲状腺機能低下症と食事:カルシウムとリンを整える栄養の視点

手足の先がしびれたり、ふくらはぎが急にこわばったり。そうした体のサインが続くとき、その背景に血液中のカルシウムの不足が関わっていることがあります。

カルシウムは骨をつくる材料というイメージが強いものですが、実際には心臓の動き、神経の伝達、筋肉の収縮など、生命を支える多くの場面で休みなく働いています。

この血液中のカルシウムの量をちょうどよく保つために欠かせないのが、副甲状腺という小さな臓器から分泌されるホルモンです。

何らかの理由でこのホルモンが十分につくられなくなる状態を、副甲状腺機能低下症と呼びます。比較的まれな病気ですが、いったん起こると血液中のカルシウムが下がり、反対にリンが上がりやすくなります。

治療の中心はカルシウムとビタミンDの補充ですが、毎日の食事もまた、症状を穏やかに保ち、合併症から体を守るうえで大きな意味を持ちます。

今回は、副甲状腺機能低下症とつき合っていくうえで意識したい栄養素と、食べ方の考え方を整理していきます。

記事の要点

  • 副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモンが不足することで血液中のカルシウムが下がり、リンが上がりやすくなります。まずこの仕組みを知ることが、食事を考える出発点になります。
  • カルシウム、ビタミンD、マグネシウムは、この状態と向き合ううえで意識したい栄養素です。それぞれが体の中で果たす役割を知ると、食卓での優先順位が見えてきます。
  • 一方で、リンの多い食品やカルシウムの吸収を妨げる成分、摂りすぎた塩分は控えめにしたい対象です。何を増やし、何を減らすか、その兼ね合いが症状の安定に関わってきます。