逆流性食道炎や胃潰瘍の治療で処方されるプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、日本でも広く使われている胃薬です。効果が実感しやすく、症状が落ち着いたあとも、念のため、再発が怖いからと長期間飲み続けている方は少なくありません。
良かれと思って続けているその薬が、体内の亜鉛にじわじわと影響しているかもしれないと聞いたら、どう感じるでしょうか。
近年、PPIの長期使用と亜鉛の吸収・体内貯蔵量の関係を調べた研究が報告されています。胃酸を抑える薬が、なぜミネラルの吸収に関わるのか。その仕組みと、貧血・味覚・免疫といった体への広がりを紹介します。
◼️記事の要点
プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を強く抑える薬で、亜鉛は胃の酸性環境で吸収されやすいため、長期使用は亜鉛の吸収と体内貯蔵量に影響しうると報告されています。
亜鉛は赤血球をつくる過程やT細胞の働きに関わり、亜鉛欠乏性貧血や免疫反応の変化とPPI長期使用の関連を示す研究が発表されています。
味覚の変化や傷の治りにくさも亜鉛欠乏の症状として知られ、ビタミンB12やマグネシウム、鉄など他のミネラル・ビタミンとの関係も研究されています。