ビタミンD不足と関節リウマチを深掘り:口と腸の細菌叢から見える関節の炎症

ビタミンD不足と関節リウマチを深掘り:口と腸の細菌叢から見える関節の炎症

都内で健康診断を受けた成人およそ5,500人を調べた研究では、その98%が、必要とされる血中ビタミンD濃度の基準に届いていませんでした。

若い世代ほど不足が目立ち、屋内で過ごす時間が増え、紫外線対策が広まった現代では、ビタミンD不足は世代を問わず広がっています。地域住民を長く追った別の調査でも、とくに閉経後の女性では不足・欠乏が9割を超えると報告されてきました。

一方、関節リウマチは日本で患者数が70万〜80万人と推定され、女性は男性の3〜4倍に多くみられます。

発症の中心は近年では60歳代へと移り、高齢になってからの発症も増えています。手指の関節がこわばり、腫れや痛みが続くこの病気の背景には、本来は体を守るはずの免疫の乱れがあります。

近年の研究では、このビタミンDと関節リウマチが、口や腸にすむ細菌、そして体が本来もっている抗菌の力や腸の壁を通じてつながっていることが見えてきました。

さらに、ビタミンDが働くには亜鉛やマグネシウムといったミネラルの助けも欠かせません。ビタミンDという一つの栄養素を入り口に、関節の炎症と細菌叢、そして連携する栄養素の関係を、研究をたどりながら見ていきます。

記事の要点

  • 関節リウマチの人ではビタミンDが低い傾向が複数の研究で示され、病気の勢いを表す指標との関わりが調べられています。その関係をどこまで読み取れるかを整理します。
  • 関節リウマチには口や腸の特定の細菌が関わると指摘され、腸と関節をつなぐ仕組みや、タンパク質のシトルリン化という現象が鍵として注目されています。
  • ビタミンDは抗菌の力や腸の壁、免疫のバランスに幅広く関わり、その働きには亜鉛とマグネシウムが欠かせません。細菌叢と関節炎をつなぐ道筋を見ていきます。