マグネシウムといえば、骨や心臓の健康を支えるミネラルとして知られています。サプリメントや食材を通じて意識的に摂っている方も多いのではないでしょうか。
ところが、このありふれたミネラルに、これまで見過ごされてきた意外な働きがあることが最近の研究で明らかになってきました。舞台は、体のなかのもう一つの循環系とも呼ばれるリンパ管です。
日本ではいま、手術後のむくみやリンパ浮腫に悩む方、糖尿病や加齢による慢性的な創傷に苦しむ方が増えています。
乳がん手術後のリンパ浮腫に長く向き合っている方、足の傷がなかなか治らない高齢の方など、身近な例は少なくありません。
リンパ管を修復するための治療はまだ限られており、高価な成長因子や複雑な細胞療法に頼らざるを得ないのが現状です。
そんななか、安価で身近なマグネシウムがリンパ管の再生を後押しする可能性が示され、研究者たちの注目を集めています。
記事の要点
- マグネシウムイオンが、リンパ管の細胞を活発に増やし、動かし、新しい管状の構造をつくる働きを持つことが実験で示されました。
- 濃度には「ちょうど良い範囲」があり、高すぎても低すぎても効果は弱く、適切な濃度でこそ最大の効果が発揮されます。
- マグネシウムは細胞の酸化ストレスを減らし、VEGFAやVEGFCといった重要な治癒シグナルを活性化させることも確認されました。