最新|生きた菌を使わないポストバイオティクス:2型糖尿病のHbA1cが改善した3か月試験

最新|生きた菌を使わないポストバイオティクス:2型糖尿病のHbA1cが改善した3か月試験

腸内細菌と血糖コントロールの関係をめぐる研究に、新しい方向性が見えてきました。これまで広く知られてきたプロバイオティクスは、生きた微生物を利用する考え方です。

一方で近年は、微生物を生きた状態で摂るのではなく、非生菌の細菌体やその構成成分を活用する「ポストバイオティクス」が注目されています。

2026年5月4日、『Frontiers in Endocrinology』に掲載された無作為化臨床試験では、2型糖尿病のある成人が、標準的な血糖管理に加えて、乳酸菌由来の細菌ライセートを3か月間摂取しました。

その結果、介入群ではHbA1cが低下し、プラセボ群とは異なる変化が確認されました。腸内環境に働きかける素材が、血糖管理を支える新しい選択肢へと発展していく可能性を示す研究です。

記事の要点

  • 2型糖尿病患者55名を無作為に割り付け、Lactobacillus rhamnosus DV由来の細菌ライセート100mgを1日2回、またはプラセボを3か月間摂取する二重盲検試験が行われました。
  • 治療期間と追跡を完了した42名の解析で、3か月後のHbA1cは介入群で平均0.63ポイント低下し、プラセボ群では0.50ポイント上昇しました。両群の変化パターンには有意差が示されました。
  • 腹囲と推定インスリン感受性にも介入群に好ましい変化が見られました。生菌を必要としないポストバイオティクスを、代謝領域で検討する臨床研究の広がりを示す結果です。