食物繊維は体にいい、という言葉はよく耳にします。けれど、それが体の中で具体的に何をしているのかと尋ねられると、答えに迷う方は少なくないかもしれません。
野菜をたくさん食べれば足りるのか、サプリメントの繊維でもいいのか、種類によって何か違うのか。
食物繊維は、人の消化酵素では分解されにくい炭水化物をまとめた呼び名です。一つの成分を指す言葉というより、水に溶けるもの、溶けないもの、腸内細菌に発酵されやすいものなど、性質の異なる仲間の集まりです。
だからこそ、はたらく場面も便通、腸内環境、脂質の代謝と、いくつもの方向に広がります。
食物繊維という一つの呼び名を、便通と腸内環境、そして胆石という三つの接点から、近年の研究とともにたどってみます。
◼️記事の要点
食物繊維は、水に溶けて粘性を持つもの、水を含んでふくらむもの、腸内細菌に発酵されるものなど、性質の違う仲間の集まりです。
慢性的な便秘では、粘性のある水溶性食物繊維が排便のしやすさや便の形に関わると、複数の臨床試験をまとめた解析で報告されています。
発酵性の食物繊維は腸内細菌のエサになって短鎖脂肪酸を生み、脂質の代謝を通じて胆石との関連も観察研究で示されています。