八月の後半から九月にかけて、いちじくがいちばんおいしい季節を迎えます。とろけるような甘さと、つぶつぶした独特の食感。夏の疲れが少し残るこの時期、冷やしたいちじくにふと手が伸びる。そんな方も多いのではないでしょうか。
甘くてやわらかい果物、という印象の強いいちじくですが、その実の中には、体の巡りを静かに支える成分が含まれています。
塩分のバランスを助けるカリウム、腸の環境に関わる食物繊維、そして赤紫色の皮に宿るポリフェノール。
晩夏の食卓で、いちじくと血圧、腸との関係を見直すと、旬をより前向きに味わう手がかりが見えてきます。日本食品標準成分表の数字をもとに、その姿をたどってみます。
記事の要点
いちじくは生の可食部100gあたり約54kcalで、カリウムを約170mg含み、体内の余分な塩分(ナトリウム)を外へ出すのを助けるミネラルを、甘さのなかにそなえています。
水溶性食物繊維のペクチンは大腸で善玉菌のえさになり、腸内環境を整えることに関わるとされ、皮の赤紫色にはアントシアニンなどのポリフェノールが含まれます。
皮ごと食べる、ヨーグルトと合わせる、さっと焼くなど、成分を流さず活かす食べ方で、晩夏の旬を体にうれしい形で楽しめます。