最新|子どものぜん息・花粉症と亜鉛不足:見落とされてきた栄養の問題

最新|子どものぜん息・花粉症と亜鉛不足:見落とされてきた栄養の問題

ぜん息は子どもの慢性疾患としてもっとも多いもののひとつで、6~11歳の子どもの約7%が罹患しており、その有病率は今も上昇を続けています。アレルギー性鼻炎(花粉症)の増加も同様です。

WHOによると、2019年時点で世界のぜん息患者は約2億6200万人、年間の死亡者数は約45万5000人にのぼります。ヨーロッパでは若年層の30%が何らかのアレルギー疾患を抱えているとも推定されています。

日本でも子どものアレルギーは深刻な問題です。花粉症の低年齢化が進み、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎と合わせて、小児期のアレルギー疾患は増加の一途をたどっています。

都市部への人口集中、環境汚染、過度な衛生環境、そして欧米型の食生活への移行が背景にあると考えられていますが、近年の研究では栄養素の不足が見落とされがちな要因として注目されています。

学術誌Nutrientsに掲載されたレビュー論文では、子どものぜん息とアレルギー性鼻炎における亜鉛の役割が、2015年から2025年に発表された研究をもとに包括的に検討されました。

その結果、亜鉛不足が広く見られること、そしてこの不足がぜん息や花粉症の発症と治療効果の低下に関わっている可能性が示されています。

記事の要点

  • 亜鉛不足は子どものぜん息や花粉症の発症リスクを高め、治療効果を下げる要因になりうる。
  • 亜鉛は気道の粘膜バリア維持、免疫バランスの調整、炎症の抑制に不可欠なミネラルである。
  • 精製された食品や偏った植物性食品中心の食事は亜鉛不足のリスクを高めるため、食事からの十分な摂取が基本的な対策になる