近年、日本でも腸活という言葉がすっかり定着し、ヨーグルトや発酵食品を意識的に取り入れる方が増えてきました。
厚生労働省の国民健康・栄養調査を見ても、野菜や果物の摂取量は年齢とともに減っていく傾向があり、特に高齢者層では食物繊維やポリフェノールといった植物由来の成分が不足しがちだと指摘されています。
こうしたなかで、手軽に食べられる果物が腸内細菌にどう働きかけるのかを調べた研究は、日々の食卓を見直すきっかけになりそうです。
今回ご紹介するのは、米国デューク大学の研究チームがおこなった12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。
過体重または肥満傾向にある高齢者を対象に、ブルーベリーを毎日食べ続けることで腸内細菌のバランスや血液中の代謝マーカーにどのような変化が現れるのかを丁寧に観察しています。
結果には意外な側面もあり、単純に「ブルーベリーは体にいい」という話では終わらない、興味深い内容になっています。
記事の要点
- ブルーベリーを12週間食べ続けた群では、ポリフェノールの代謝に関わる腸内細菌であるCoriobacteriales incertae sedisが有意に増え、参加者の約7割で増加が確認された。
- 血中脂質の改善はむしろプラセボ群で顕著に見られ、ブルーベリー群ではHDL粒子やアポリポタンパクA-Iの低下という予想外の結果が出た。
- ブルーベリー群では心血管リスクに関わるTMAOの増加が抑えられる傾向が見られ、腸内環境を介した影響が示唆されている。