最新|マグネシウムと認知症リスク:33万人の追跡が示したU字型の関連

最新|マグネシウムと認知症リスク:33万人の追跡が示したU字型の関連

血液検査の結果票に、Mg(マグネシウム)という項目が並んでいても、コレステロールや血糖値ほど気にかけている方は多くないかもしれません。基準値の範囲にぽつんと収まっていれば、たいていはそのまま読み飛ばされてしまう数字です。

けれども、この見過ごされがちなミネラルの値が、何年も先の脳の健康と関わっているかもしれない、そんな大規模な解析がまとまりました。

栄養学の国際誌『Frontiers in Nutrition』に報告された研究で、世界の医療機関の電子健康記録を集めたデータベースTriNetXを使い、50歳以上の成人およそ33万人を追跡したものです。

血中マグネシウムが低めの人では認知症の発症が多く、とくに血管が関わるタイプの認知症との結びつきが目立っていました。

さらに興味深いのは、低い人だけでなく、高すぎる人でもリスクが上がっていたこと。低すぎても高すぎても認知症が増えるという、いわゆるU字型の関連が浮かび上がってきたのです。

記事の要点

  • TriNetXの電子健康記録をもとに、50歳以上の約33万人を傾向スコアで1対1にそろえ、血中マグネシウム値とその後の認知症発症の関係を追跡したコホート研究の枠組みを紹介します。
  • 低マグネシウム(1.7 mg/dL未満)の群では全原因認知症のリスクが高く、とりわけ血管性認知症との結びつきが際立っていたという結果の中身を見ていきます。
  • 高マグネシウム側でもリスクの上昇が認められ、低すぎても高すぎても認知症が増えるU字型の関連が浮かんだ点を、どう受け止めるかを考えます。