深く息を吸ったとき、肺がしっかり空気を取り込めているか。ふだんはあまり意識しないことですが、呼吸のしやすさは暮らしの質に静かに関わっています。とくに喘息のある人にとって、肺の力をどう保つかは日々の関心事です。
2026年6月末、そんな肺のはたらきと、ビタミンAおよびビタミンDとの関わりを調べた研究が、呼吸器の専門誌『Thorax』で報告されました。
子どもと大人、合わせて二千人を超える喘息の人を対象に、血液中のビタミン濃度と呼吸機能を照らし合わせた研究です。ビタミンAとDという身近な栄養素と、肺という意外な組み合わせを見ていきます。
記事の要点
コスタリカの喘息の子ども1,165人と大人1,041人を対象にした研究で、ビタミンAの血中濃度が高い人ほど、肺の力を示す指標が高い傾向が、子ども・大人の両方で見られたと報告されました。
大人では、ビタミンDが一定の水準以上にある人ほど呼吸機能が良く、細胞レベルの老化を示すしるしも穏やかで、ビタミンDが生物学的な老化の速さと関わる可能性が示されました。
この研究は一時点の観察研究のため因果を結論づけるものではありませんが、脂溶性ビタミンと肺のはたらきの結びつきを、遺伝子の調整という新しい角度から示した報告として注目されています。