〜約2,600人を6年間追跡、レジリエンスと自己肯定感との関連を初めて確認〜
「ベジファースト」という言葉をご存じでしょうか。食事のとき、ご飯やお肉より先に野菜から食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えられるとして、糖尿病予防や体重管理の観点から広く知られるようになった食べ方です。近年は健康志向の高まりとともに、多くの方が日常の食事に取り入れるようになっています。
一方、日本では子どものメンタルヘルスへの関心がこれまでになく高まっています。不登校の児童・生徒数は過去最多水準が続き、子どもたちのストレスや自己肯定感の低さが社会課題として取り上げられることも増えました。
どうすれば子どもたちの心を育て、困難を乗り越える力を養えるのか、多くの保護者や教育関係者が模索しています。
そんなふたつの問いが交差する、とても興味深い研究結果が2026年3月4日、東京科学大学(Science Tokyo)から発表されました。
野菜を最初に食べるという日常の小さな習慣が、子どものレジリエンス(困難を乗り越える力)や自己肯定感と関連しているという内容で、約2,600人の子どもを小学1年生から6年生まで6年間にわたって追跡した、世界でも初めての大規模研究です。
記事の要点
- 小学1年生から6年生まで一貫して野菜から食べていた子どもは、その習慣がなかった子どもと比べて、6年生時点でレジリエンスが0.20ポイント、自己肯定感が0.27ポイント有意に高かった。これは性別や家庭の社会経済状況などを考慮した統計解析の結果である
- 食事の「何を食べるか」だけでなく「どの順番で食べるか」という習慣が子どもの心の健康と関連することを、長期的な追跡データで示した世界初の研究成果である。血糖値の安定による気分の落ち着きや、食事のルールを守ることで培われる自己コントロール力が関与していると考えられている
- 今回の研究成果は、家庭や学校でも今日から実践できる具体的な行動指針を示している。今後は足立区の食育政策や学校の食育プログラムへの応用が予定されており、子どものメンタルヘルス対策としての「ベジファースト」の普及が期待される