カカオといえば、チョコレートやコーヒーの原料として私たちにとってとても身近な食品です。甘いお菓子のイメージが強いですが、古くから「神々の食べ物(Theobroma=テオブロマ)」と呼ばれてきたほど、その栄養的な価値は特別なものとして認識されてきました。
近年の研究では、カカオに含まれるポリフェノールやフラボノイドが、心臓や血管の健康にさまざまな好影響を与えることが少しずつ明らかになってきています。
一方、日本でも新型コロナウイルス感染後に長期間にわたって症状が続く「ロングCOVID(長期COVID)」に悩む方が少なくありません。厚生労働省の調査でも、倦怠感・息切れ・集中力の低下・関節痛などが感染から数ヶ月〜1年以上経過しても続くケースが報告されており、社会復帰が困難になる方も多いのが現状です。
そんな中、2026年2月に新たな臨床試験の結果が発表されました。カカオに含まれるフラボノイド、特にエピカテキンを濃縮したサプリメントが、長期COVIDの患者さんの血管機能・炎症・慢性疲労を有意に改善したというものです。食事で病気を改善できるかもしれないという希望の持てる話として、じっくり見ていきましょう。
記事の要点
- カカオフラボノイドの濃縮サプリメント(ECES)を3ヶ月投与した臨床試験で、長期COVIDの患者の血管内皮機能が有意に改善し、慢性疲労と生活の質にもポジティブな変化が認められた
- スパイクタンパクによって持続するとされるIL-6・TNF-αなどの炎症性サイトカインのレベルが低下し、長期COVIDの分子的な特徴が改善されたことが確認された
- コーヒーに含まれるカフェインがスパイクタンパクの活性部位に強く結合するという研究も浮上しており、ダークチョコレートとコーヒーの組み合わせが相乗効果をもたらす可能性が示唆されている