認知症のリスクは、いくつもの要素が重なって決まります。年齢や遺伝、家族歴のように自分では変えられないものもあれば、運動や睡眠、食事のように毎日の暮らしの中で手を入れられる部分もたくさんあります。
その手を入れられる部分を考えるとき、栄養は気になるテーマです。
特定の栄養素やサプリメントが脳の老化とどう関わるのかは、近年さかんに研究されてきました。なかでもよく名前が挙がるのが、オメガ3脂肪酸、ビタミンD、ビタミンB12の3つです。
専門家がそろって強調するのは、これらの栄養素が力を発揮しやすいのは、足りていない状態を補うときだという点です。だからこそ、まず自分が足りているかを確かめることが出発点になります。
脳でどう働くのか、どんなときに不足しやすいのか、そして足りているかをどう確かめるのか。3つの栄養素を順番にたどっていきます。
◼️記事の要点
オメガ3脂肪酸のDHAは神経細胞膜の主要な構成成分で、食事から多く摂る人ほど認知機能の低下リスクが低いと報告されています。鮭やいわしなどの魚が主な供給源です。
ビタミンDの受容体は脳の広い範囲にあり、欠乏は集中力の低下や長期的な認知機能の低下と関連します。日本人にも不足が多く、血液検査で状態を確かめられます。
ビタミンB12は神経細胞や赤血球に関わり、不足すると記憶や思考に影響します。高齢者や菜食の人、糖尿病薬を使う人で不足しやすく、見つかれば回復が見込めます。