最新|日光が減ると自殺率が上がる:米国25年分のデータが示した因果関係

最新|日光が減ると自殺率が上がる:米国25年分のデータが示した因果関係

メンタルヘルスと環境要因の関係は、近年ますます注目されています。

とくに日照時間が人間の気分や精神状態に影響を与えることは、季節性情動障害(SAD)などを通じて広く知られるようになりました。

冬場に気分が落ち込みやすいという経験は、多くの人に共通するものでしょう。

日本でも、自殺は深刻な社会問題であり続けています。年間の自殺者数は近年やや減少傾向にあるものの、依然として先進国の中では高い水準にあります。

日照時間の短い冬季や梅雨の時期に気分が不安定になるという声は少なくなく、日光と精神的な健康との関連は、日本社会にとっても他人事ではありません。

今回紹介するのは、アメリカの25年分の全郡データを用いて、日照量と自殺率の因果関係を統計的に明らかにした研究です。

◼️論文タイトル

The light of life: The effects of sunlight on suicide

著者:Shinsuke Tanaka(コネチカット大学)、Tetsuya Matsubayashi(大阪大学)

掲載:Journal of Health Economics, Vol.99, January 2025

記事の要点

  • 日照量が平年より少ない月には、自殺率が統計的に有意に上昇することが確認された。
  • この影響は主に男性、白人、銃を用いた自殺において顕著であり、屋内労働者でより強く見られた。
  • メカニズムとしてセロトニン経路が有力視されており、抗うつ薬(SSRI)の処方が増加する地域では自殺への影響が緩和されていた。