最新|ビタミンB12・ビタミンDが不足すると、ADHDの症状に影響する可能性がある:成人ADHDとビタミン血中濃度の最新研究

最新|ビタミンB12・ビタミンDが不足すると、ADHDの症状に影響する可能性がある:成人ADHDとビタミン血中濃度の最新研究

「注意欠如・多動症(ADHD)」というと、子どもの病気というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、ADHDは子どもだけの問題ではなく、成人になっても症状が続いたり、大人になってから初めて診断されたりするケースが少なくありません。

集中力が続かない、うっかりミスが多い、衝動的な行動をとってしまう、こうした悩みを抱えながらも、ADHDと気づかずに生きづらさを感じている大人は日本でも相当数いると考えられています。

近年、こうした脳や神経にかかわる問題に、栄養素が深く関わっているという研究が世界中で注目されています。なかでも注目されているのが、ビタミンB12とビタミンDです。これらのビタミンは、脳内の神経伝達物質の合成や神経機能の維持に欠かせない役割を担っています。

日本においても、現代人のビタミンD不足は深刻な問題として取り上げられています。室内での仕事が増え、紫外線を浴びる機会が減少していること、また食生活の変化などから、成人のビタミンD不足は珍しくありません。ビタミンB12についても、食生活の偏りや吸収率の低下(特に高齢者)が不足の原因となり得ます。

こうした背景のなか、ビタミン不足とADHDの症状の重さとの関係を調べた新たな研究が、2026年2月に学術誌『Scientific Reports』に発表されました。

◼️論文タイトル

注意欠如・多動症(ADHD)の成人におけるビタミン血中濃度と症状の重さの関係についての評価

記事の要点

  • ADHD成人グループは、健常者と比べてビタミンB12および25-ヒドロキシビタミンD(ビタミンD)の血中濃度が有意に低かった(p<0.001)。
  • ビタミンB12の血中濃度は「不注意」の重さと、ビタミンDの血中濃度は「多動・衝動性」や「抑うつ症状」の重さと、それぞれ中程度から強い負の相関が確認された。
  • 一方、鉄やフェリチンの血中濃度については、ADHDグループと健常者グループのあいだに有意な差は見られなかった。