夏の終わりから初秋にかけて、里芋(さといも)が出回りはじめます。中秋の名月(今年は9月下旬ごろ)には、皮ごとゆでた「衣かつぎ」を月に供える風習があり、東北では里芋を主役にした「芋煮」の季節でもあります。
里芋は、日本の暮らしと季節の行事に古くから寄り添ってきた、いも類の中でも独特の存在です。
その里芋ならではの特徴が、包丁を入れたときやゆでたときに出る、あの独特の「ぬめり」です。
手がすべってむきにくいと感じる方も多いこのぬめりですが、実はここに、里芋の栄養的な持ち味が表れています。旬を迎えたこの時期に、里芋の中身をあらためて数字で見てみたいと思います。
記事の要点
里芋(球茎・生)は可食部100gあたり53kcalと、いも類の中でも低カロリーでありながら、カリウムを640mgと豊富に含みます。これは生のバナナ(約360mg)を上回る量です。
里芋の独特のぬめりは、ガラクタンなどの水溶性の粘性成分によるもので、食物繊維は100gあたり2.3g含まれています。
衣かつぎ、芋煮、煮っころがしなど、日本の食文化には里芋を主役にした料理が数多くあり、旬のこの時期に取り入れやすい食材です。