最新|血液透析患者においてグルコン酸亜鉛が食欲を改善し、掻痒症(かゆみ)を軽減:二重盲検ランダム化比較試験の結果

最新|血液透析患者においてグルコン酸亜鉛が食欲を改善し、掻痒症(かゆみ)を軽減:二重盲検ランダム化比較試験の結果

12週間にわたるグルコン酸亜鉛210mg(元素亜鉛として30mg)の毎日摂取は、血液透析を受けている成人患者において、副作用を引き起こしたり体組成や筋力に影響を与えたりすることなく、空腹感、摂食意欲、推定食物摂取量を改善し、掻痒症(しっしん・かゆみ)を軽減させた。

慢性腎臓病(CKD)は、窒素代謝産物の排泄低下、電解質バランスの調節不全、血圧異常を含む腎機能障害を特徴とする。CKDは世界人口の約10%が罹患しており、世界的に重大な健康負担となっている。病状が進行した段階では、体内の過剰な水分や代謝廃棄物を除去して失われた腎機能を補うために、透析が必要となる。

血液透析(HD)は最も一般的に用いられる透析形態である。生命を維持するために不可欠な一方で、HDは多くの二次的な合併症を伴う。なかでも、患者の推定30~70%に影響を及ぼす「栄養不良」や、治療を受けている個人の50~80%で報告されている皮膚異常は非常に一般的である。

HD患者における栄養不良は、筋肉の減少、除脂肪体重の減少、脂肪量の増加といった体組成の悪影響と密接に関連している。これらの変化は、末期腎不全患者の機能的能力、生活の質(QOL)、および全体的な生存率の低下に強く関わっている。

そのため、長期的な血液透析の影響を軽減し、患者の生活の質と生存率の向上を目的とした補助的な療法が求められている。

亜鉛は、遺伝子発現、タンパク質合成、免疫調節、神経機能など、数多くの生化学的プロセスに関与する必須微量元素である。血液透析を受けている患者において亜鉛不足は非常に蔓延しており、患者の40~80%に及ぶと推定されている。

この高い欠乏率は、栄養不良や皮膚異常を含むHD関連合併症を緩和するための戦略として、亜鉛補充への関心を高める要因となっている。

これまでの臨床研究では、亜鉛の補給がCKD児の食欲を改善し、成人のCKD患者の食物摂取量を増加させ、筋肉の成長と再生における役割を通じて体組成に好ましい影響を与えることが示されている。

栄養的な効果に加え、亜鉛は皮膚科領域のケアでも広く使用されており、皮膚感染症、炎症性皮膚疾患、色素沈着障害、および特定の腫瘍の管理における役割を支持する証拠がある。

こうした裏付けがあるにもかかわらず、血液透析患者における亜鉛補給を具体的に評価したデータは依然として限られている。さらに、先行研究の多くは硫酸亜鉛を使用しているが、この形態はバイオアベイラビリティが低く、胃腸の副作用の発現率が高いことに関連している。

グルコン酸亜鉛のような、より吸収性の高い形態の亜鉛については、この集団において十分に研究されてこなかった。この知見のギャップを埋めるため、血液透析患者75名を対象に、グルコン酸亜鉛の補給が栄養不良指標および皮膚異常に及ぼす影響を評価する、並行群間二重盲検ランダム化臨床試験が実施された。

この12週間の試験では、透析患者がグルコン酸亜鉛の錠剤(210mg、元素亜鉛30mgを含む)を1日1回服用する群、または30mgのデンプンを含む同一のプラセボ(偽薬)を服用する群のいずれかにランダムに割り当てられた。

両群の参加者には、固形油脂、揚げ物、塩分の多い食品、高脂肪乳製品、加工食品、ジャンクフードの回避を含む標準的な食事指導が行われた。また、砂糖入り飲料やリンの多い食品を制限するよう指示された。

臨床評価は、試験開始時と介入終了時に実施された。アウトカムには、皮膚異常、体組成、身体計測値、握力、および食欲の指標が含まれた。12週間の研究結果は以下の通りである。