最新 | 隠れた鉄欠乏が、COVID-19やインフルエンザ患者の致命的な心血管リスクと関連

最新 | 隠れた鉄欠乏が、COVID-19やインフルエンザ患者の致命的な心血管リスクと関連

鉄不足というと、貧血や疲れやすさを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども近年の研究は、鉄が足りない状態が、感染症のときに思いもよらない形で心臓や血管を脅かす可能性を示しています。

注目されているのが、新型コロナウイルスやインフルエンザにかかったときの心血管系へのリスクです。

セルビアのベオグラード大学の研究チームは、鉄欠乏という見過ごされがちな状態が、COVID-19やインフルエンザの患者さんにおいて、命に関わる心血管系の合併症のリスクを大きく高めうると警鐘を鳴らしています。

鉄が足りないことが、なぜウイルスにとって有利に働くのか。今回は、最新の知見をもとに、鉄と感染症と心臓のつながりを読み解いていきます。

記事の要点

  • ベオグラード大学の研究によると、鉄が不足すると体はトランスフェリン受容体1(TfR1)という蛋白質を増やして補おうとしますが、このTfR1こそ新型コロナウイルスやインフルエンザが細胞に侵入する入り口として使われると報告されています。
  • TfR1は心筋細胞や血管の内側を覆う細胞に多く存在するため、鉄欠乏状態ではウイルスの侵入口が増え、心筋炎、不整脈、危険な血栓といった重い心血管合併症につながりうると指摘されています。
  • 研究チームは、呼吸器ウイルス感染症と診断された患者さんでは鉄の状態を優先的に確認し、鉄不足を早期に見つけて補正することが、重い心臓や血管の障害を減らす手立てになりうると結論づけています。