夏になると、八百屋やスーパーの店先に真っ赤なトマトが並びます。冷やしてそのままかじる、サラダに刻む、そうめんの薬味に添える。暑い時期の食卓に、トマトの赤はよく似合います。
あの鮮やかな赤色のもとになっているのが、リコピンという色素です。健康や栄養の話題で名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。トマトジュースやサプリメントのラベルでも見かけます。
リコピンは、もともとトマトが自分の身を守るために蓄えている天然の色素です。それが、私たちの食卓に夏らしい彩りを添えると同時に、栄養としても注目されてきました。
ただ、リコピンは食べ方によって体への入り方が変わる、少し個性のある成分です。生のトマトをそのままかじるのと、加熱して油と合わせるのとでは、吸収のされやすさが違ってきます。
夏のトマトをおいしく食べながら、その個性を知っておくと、毎年の食卓がもう少し楽しくなります。
◼️記事の要点
リコピンはトマトやすいかの赤い色のもとになるカロテノイドで、βカロテンなどと違い、体の中でビタミンAには変わらない色素です。
リコピンは細胞の中に閉じ込められているため、加熱する、刻む、油と一緒に食べるといった工夫で、体への吸収が高まりやすくなります。
紫外線を浴びた肌の指標やウエスト周囲径との関連が研究で報告され、成分としてのリコピンとともに、トマトを食品全体として楽しむ視点が大切になります。