アイスクリームといえば、砂糖と脂肪たっぷりの嗜好品。健康に良いと考える人はほとんどいないでしょう。
ところが近年、複数の大規模疫学研究から、アイスクリームを定期的に食べている人のほうが2型糖尿病のリスクが低いという、研究者自身も困惑する結果が繰り返し報告されています。
この予想外のデータは、栄養科学の世界で最も奇妙な謎のひとつとして注目を集めています。
日本でも糖尿病は国民病とも言われ、その予備群を含めると2000万人以上が該当するとされています。
一方でアイスクリームは、日本人にとって身近なスイーツであり、コンビニやスーパーには多種多様な製品が並んでいます。
もしアイスクリームと糖尿病リスクの間に本当に何らかの関係があるのだとしたら、それは私たちの食事と健康に対する常識を揺さぶる話です。
海外の研究データから、この不思議な現象の中身を見ていきます。
記事の要点
- ハーバード大学などの複数の大規模研究で、アイスクリームの摂取頻度が高い人ほど2型糖尿病のリスクが低いという予想外の結果が繰り返し確認されている。
- 研究者たちはこの結果を逆因果、報告バイアス、乳脂肪球膜(MFGM)の生物学的作用という3つの仮説で説明しようとしているが、完全な解明には至っていない
- アイスクリームの血糖指数(GI値)は意外にも玄米より低く、脂肪やたんぱく質の含有が血糖上昇を緩やかにしている可能性がある