最新|運動不足とミトコンドリア:座りがちな筋肉で起きていた燃やせない変化

最新|運動不足とミトコンドリア:座りがちな筋肉で起きていた燃やせない変化

デスクワークが続いた一日の終わりに、体が重く感じられることがあります。激しく動いたわけでもないのに、なぜか疲れが残る。その動かないことそのものが、細胞のなかで体に何をしているのか。最近の研究が、そこへ一歩踏み込みました。

健康な男性を、ふだん運動の習慣がない座りがちな人と、週に150分以上の有酸素運動を半年以上続けている活動的な人に分けて比べたところ、年齢も体格も近いのに、筋肉の細胞の中身が大きく違っていたと報告されています。

なかでも目立ったのは、糖をエネルギーに変える細胞内の入り口にあたるタンパク質が、座りがちな人では活動的な人の約半分しかなかったという点です。

運動不足は体力が落ちるという、ややぼんやりした言葉で片づけられがちです。けれどこの研究は、それが細胞のなかの特定の通り道が細くなるという、もっと具体的な変化として現れていることを示しています。

しかもその変化は、運動中の乳酸の溜まり方として、外から見分けられるというのです。

◼️記事の要点

  • 座りがちな男性の筋肉では、糖をミトコンドリアへ送り込むMPC1というタンパク質が活動的な人より約49%少なく、糖をエネルギーに変える力そのものが落ちていたと報告されています。

  • 一方で糖を細胞内へ取り込むGLUT4は保たれており、問題は糖が入れないことではなく、その先のミトコンドリアで燃やせない入り口の目詰まりにあると示されました。

  • この違いは運動中に乳酸が早く溜まる形で表に出るため、CPELTという心肺運動・乳酸検査によって、自覚症状が現れる前の代謝の変化を見分けられる可能性があります。