夏の疲れがたまり、冷房と暑さのくり返しで体調をくずしやすい季節です。免疫の力をどう保つか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
2026年7月、その手がかりになりそうな報告が発表されました。米ロックフェラー大学の研究チームが、アミノ酸の一種であるアルギニンに注目した研究です。
アルギニンが不足すると免疫の見張り役がうまく働かなくなる一方、アルギニンを十分に摂ったマウスでは大腸の腫瘍が抑えられ、ウイルス感染の重症度も軽かったと報告されています。
この研究は科学誌『Cell』に掲載されました。マウスと細胞で得られた知見を、人でのがんや感染症の予防・治療へつなげる研究はこれからです。
それでも、私たちが日々食べているものに含まれるありふれた栄養素が、免疫の土台に関わっている可能性を描き出した点で、注目を集めています。アルギニンとは何か、そして日々の食事でどう補えるのかを、順に見ていきます。
記事の要点
米ロックフェラー大学の研究チームが2026年7月に『Cell』へ発表したマウス・細胞の研究で、アルギニンが不足すると免疫の目印となるMHCクラスI(MHC-1)というたんぱく質がうまく作られなくなりました。アルギニンを豊富に与えたマウスでは、大腸の腫瘍が抑えられ、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染時の重症度も軽かったと報告されています。
背景として、アルギニンが足りないとリボソーム(たんぱく質を組み立てる工場)がアルギニンを指定する場所で滞り、免疫細胞が異常な細胞やウイルスを見つける目印であるMHC-1の合成が止まってしまう、という仕組みが示されました。
研究チームは、このマウス・細胞で得られた知見をヒトで確かめる研究を、今後の課題としています。アルギニンは肉・魚・大豆・ナッツなど身近な食品に含まれます。