最新|卵子の質とミトコンドリア:卵子の力を支える、細胞のエネルギー

最新|卵子の質とミトコンドリア:卵子の力を支える、細胞のエネルギー

卵子の質という言葉を、妊活や不妊の文脈で耳にした方は多いと思います。年齢とともに妊娠しにくくなる、という話もよく語られます。けれど、その「質」が体の中で具体的に何によって決まっているのかまでは、あまり説明されないままになっているのではないでしょうか。

2026年5月、生殖科学の専門誌Reproductive Sciencesに、女性の妊孕性(にんようせい:妊娠できる力)とミトコンドリアの関係を包括的にまとめた総説が発表されました。

卵子という一つの細胞の中で、エネルギーを生み出す小さな器官がどんな役割を担い、それがどのように揺らぐのか。そして、その働きを守り、高めようとする研究がどこまで来ているのか。今回はその内容を紹介します。

記事の要点

  • 卵子の成熟・受精・受精後の初期発生は、ミトコンドリアが生み出すエネルギーに強く依存していると、この総説は述べています。

  • 加齢・肥満・代謝ストレスはミトコンドリアの働きを乱し、卵巣の老化を早め、多嚢胞性卵巣症候群などにも関わると報告されています。

  • メラトニンやコエンザイムQ10などの抗酸化アプローチと、代謝に働きかける薬剤の二方向から、卵巣のエネルギーを立て直す戦略が検討されています。