Long COVIDでは、感染から時間がたったあとも、強い疲労、めまい、動悸、集中力の低下、記憶の抜け落ちるような感覚が続くことがあります。いわゆる脳の霧と呼ばれる状態です。
これまでLong COVIDをめぐっては、ウイルスの残存、慢性炎症、血管・微小循環、ミトコンドリア機能、自律神経の乱れなど、いくつもの仮説が検討されてきました。
そこに今回、新しく注目したい研究が出てきました。
スペインの研究チームは、Long COVIDにあたるPost-COVID Condition(PCC)と、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者を対象に、神経や自律神経の働きに関わる受容体を標的にする自己抗体を調べました。掲載誌はScientific Reportsです。
今回のポイントは、単に炎症があるという話ではなく、免疫が神経系の信号に関わる受容体へ向かっている可能性を見たところにあります。
自律神経、疲労、起立時の不調、記憶や作業記憶。これらが別々の症状ではなく、免疫と神経の接点でつながっているのではないか、という見方です。
記事の要点
- Long COVID患者96名、ME/CFS患者59名、健康対照36名を比較。
- β2アドレナリン受容体抗体やM3ムスカリン受容体抗体に特徴的な差が見られた。
- 自己抗体は自律神経症状や記憶・作業記憶の成績と関連していた。