血液検査でB12の値が高く出ていて、サプリが効いている証拠かなと安堵した経験はないでしょうか。
2026年5月、アメリカがん研究学会(AACR)の学術誌 Cancer Research Communications に掲載された研究が、その認識に一石を投じています。
大腸がん患者37,000名超を対象にした調査で、診断時のB12が高かった群の中央生存期間は約59ヶ月(約5年)でした。正常値の群の約130ヶ月(約11年)に比べると、2倍以上の差が報告されています。
この研究は、B12が多いほど体に良いという前提が、少なくとも大腸がんの文脈では成り立たない可能性を示したものです。
一方で、B12欠乏が長期的にDNA複製に影響を与えるという報告も根強くあります。不足でも過剰でもリスクが上がる逆U字型の関係について、何が分かっているのかを整理します。
記事の要点
- 2026年のAACR大規模研究で大腸がん患者における高B12が予後不良と関連することが報告され、B12と健康リスクの関係が改めて問い直されている。
- 血中B12が上昇するしくみとして、腫瘍による肝臓へのダメージやがん細胞が産生するB12結合タンパクが示唆されており、高B12が摂取過剰を意味するとは言いきれない側面がある。
- 普通の食事で摂るレベルが問題となるエビデンスはなく欠乏しやすい人への対応は引き続き意味があるが、長期的な高用量サプリについては評価が続いている段階にある。