ほうれん草のサラダに、素焼きのアーモンド。栄養バランスを気にする人ほど、食卓に置きたくなる組み合わせです。クローン病や潰瘍性大腸炎と付き合いながら、症状が落ち着いている時期には「体にいいものを」と青菜やナッツ類を意識して取り入れている方も、少なくないのではないでしょうか。
ところが、こうした炎症性腸疾患(IBD)のある人にとっては、この「体にいいはずの食品」が、腸の炎症と静かに結びついているかもしれないという報告があります。手がかりは、これまで主に腎結石の原因物質として語られてきたシュウ酸(オキサレート)でした。結石を防ぐための注意点としては聞いたことがあっても、それが腸そのものの炎症と関係しているとは、これまであまり知られてこなかったテーマかもしれません。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)の研究チームが、腎臓とは別の臓器、腸の炎症という角度から、あらためてシュウ酸を調べ直しています。
記事の要点
- クローン病・潰瘍性大腸炎の患者では、腸でシュウ酸を運ぶ輸送体の働きが弱まっており、便中のシュウ酸濃度がIBDでない人より高いことが報告された。
- マウスの実験では、シュウ酸を多く含む食事と腸炎を組み合わせると、生存率が大きく下がったとされている。
- 研究チームは、食事は医療の中でも変えやすい要素の一つであり、この発見がその使い方をより正確にする手がかりになるとしている。