同じ家で暮らしていると、食べるものも、起きる時間も、いつのまにか似てきます。だから家族でお腹の調子や体質が近づいてくるのは、同じ食卓を囲んでいるからだろう、と感じている方は多いのではないでしょうか。
ところが、私たちの腸や口の中にすむ細菌そのものが、人から人へと移っていることが、菌株という細かい単位で確かめられました。しかも、いちばん移りやすかった菌が、2型糖尿病や心臓・代謝の健康と関わるグループだった、という報告です。
これは、イタリア・トレント大学のVitor Heidrichさん、Nicola Segataさんらが2026年に発表した研究によるものです。
同居する人どうしの体内の菌を一株ずつ追いかけ、私たちの菌は、そもそもどこから来るのかという素朴で大きな問いに踏み込んだ内容になっています。
◼️記事の要点
同居する人どうしは、血縁のあるなしに関わらず腸や口の中の菌株を多く共有しており、最も伝わりやすい菌は2型糖尿病や心代謝の健康と関連していたと報告されています。
同居者が共有する菌株は腸内で19%、口腔で26%、恋愛パートナーの口腔では44%に達し、菌が人から人へ移っていることが一株ずつの単位で示されました。
食事や生活はすでにいる菌に働きかけますが、菌の出どころそのものには答えません。誰と暮らすかも、体内の菌の顔ぶれに関わると考えられています。