風邪をひきそうなとき、亜鉛をとる。そんな習慣を持つ方は少なくないと思います。亜鉛が免疫に欠かせないミネラルであることは、広く知られてきました。
では、亜鉛は体の中で、どんなふうに免疫を支えているのでしょうか。
亜鉛が足りないと感染症にかかりやすくなり、傷の治りも遅くなる。こうした事実は古くから知られてきましたが、その働き方の中身は、近年になって少しずつ描かれるようになってきました。
中でも目を引くのが、亜鉛が免疫細胞の中に蓄えられ、体がダメージを受けたときに放出されて、免疫を立て直す合図になっているという姿です。ふだんは静かにため込まれ、ここぞという場面で力を発揮する。
そんな亜鉛と免疫の関係を、基礎からたどってみます。
◼️記事の要点
亜鉛は免疫細胞の発達や働きに関わる必須ミネラルで、不足すると感染症にかかりやすくなり、免疫細胞を育てる胸腺も縮むことが知られています。
免疫細胞のT細胞は平時に亜鉛を細胞内に蓄え、胸腺が傷つくと放出して、GPR39という受容体を介して胸腺の再生を促すと動物研究で示されています。
亜鉛は体にためる仕組みが乏しく、毎日の食事から補うことが前提です。牡蠣や赤身肉、卵、大豆、ナッツなどから無理なく取り入れられます。