最新|慢性ストレスと血液幹細胞の老化:腸内細菌が脳と骨髄をつなぐ新知見

最新|慢性ストレスと血液幹細胞の老化:腸内細菌が脳と骨髄をつなぐ新知見

夜、なかなか寝つけないまま朝を迎え、体が重いまま一日を始める。忙しい時期が続くと、そんな状態がしばらく抜けないという方は少なくないと思います。

ストレスが自律神経や睡眠、食欲に影響することはよく知られていますが、血液を作る細胞そのものにまで影響が及んでいるとしたら、少し驚くのではないでしょうか。

2026年7月、中国・中山大学の研究チームがCell Stem Cell誌に発表した研究では、慢性的な心理的ストレスが脳・腸内細菌・骨髄をつなぐ経路を通じて、血液を作る幹細胞に老化のような変化を引き起こす仕組みがマウスの実験で示されました。

今回は、その経路と見えてきた手がかりを紹介します。

記事の要点

  • 慢性的な心理的ストレスが、脳の特定の領域を介して腸内細菌のバランスを変化させ、血液を作る造血幹細胞に老化のような機能低下を引き起こす経路がマウスで明らかになりました。

  • ストレスの信号は交感神経を通じて腸に伝わり、有用菌ラクトバチルス・ロイテリと、その代謝産物スペルミジンの減少につながることが分かりました。

  • ストレスを受けたマウスにスペルミジンを補ったところ、造血幹細胞の機能低下が改善したと報告されており、腸と骨髄をつなぐ経路として注目されています。