地中海食は体にいいとよく言われます。オリーブ油と魚、豆と野菜を中心にしたあの食べ方が、心臓にも脳にもいいらしい、と。ただ、なぜいいのかと問われると、案外はっきり答えられないものです。
2026年、米国の南カリフォルニア大学とローマのサピエンツァ大学の研究チームが、その問いに新しい答えを差し出しました。カギは、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの中で作られる、ごく小さなタンパク質にあるというのです。
7月にも海外メディアが相次いで取り上げた、この意外な機序の話を見ていきます。機序の面白さと実践のしやすさの両方で、なかなか筋のいい研究です。
記事の要点
地中海食をよく守っている高齢者ほど、ミトコンドリア由来の微小タンパク質「ヒューマニン」と「SHMOOSE」の血中レベルが高いことが、2026年の観察研究で報告されました。
この2つの微小タンパク質は、これまでに心血管疾患や神経の変性に対する保護と関連づけられてきました。とくにオリーブ油は両方と、魚と豆はヒューマニンと関連していました。
観察研究のため因果関係は未証明です。それでも、青魚やオリーブ油、豆を食卓に足す価値は十分にありそうです。副作用も費用もほとんどなく、機序の面からも理にかなっているからです。