ニンニクは健康によいという言い伝えは古くからありますが、その作用の中身が現代の分子生物学で少しずつ解き明かされてきています。
2026年5月8日(日本時間)、米科学誌「Cell Metabolism」に発表された論文では、熟成ニンニク抽出液に含まれる「S1PC(S-1-プロペニル-L-システイン)」という成分が、加齢で衰えやすい筋肉の機能をマウスで改善したことが報告されました。
湧永製薬と、ワシントン大学の今井眞一郎教授が代表を務めるプロダクティブ・エイジング研究機構の共同研究によるものです。
今回はこの研究を取り上げ、わかってきたメカニズムと、日々の食生活への活かし方を整理してみます。
記事の要点
- 熟成ニンニク由来のS1PCが脂肪組織のLKB1を活性化し、SIRT1を介してeNAMPTという酵素の分泌を促す経路が明らかになりました。
- 分泌されたeNAMPTは筋肉ではなく視床下部に届き、NAD+を増やして自律神経を介して骨格筋に働きかけるという臓器間の連絡経路が示されました。
- ヒトでの単回投与試験でも、十分な体脂肪量を持つ参加者で血中eNAMPTの上昇が確認され、応用への期待が広がっています。