ビタミンB12は、赤血球の形成やDNAの合成、そして神経組織の維持に欠かせない栄養素として知られています。体内では作ることができないため、肉や魚、卵、乳製品などの食事やサプリメントから摂取する必要があります。
一般的に、血液検査で正常値と判定されれば問題ないと考えられてきましたが、最新の研究がその常識を覆すかもしれません。
日本では高齢化が進むなか、認知症や脳の健康への関心が年々高まっています。特に高齢者では胃酸の分泌が減少し、食事からのB12の吸収力が低下することが知られており、検査上は正常であっても、実際には脳に十分な量が届いていない可能性が指摘されています。
今回、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが、正常範囲内のビタミンB12でも脳に悪影響がある可能性を示す研究を発表しました。
記事の要点
- 血液検査で「正常値」とされるビタミンB12濃度でも、脳の白質に損傷が見られ、認知機能の低下と関連していた。
- 生物学的に「活性型」のB12の濃度が低い人ほど、視覚処理や情報処理のスピードが遅くなっていた。
- 研究者らは、現行のB12欠乏の定義を見直し、特に高齢者へのガイドライン改定を提言している。