最新|目の中で作られるメラトニン:網膜の傷つきやすさは体内時計で変わる

最新|目の中で作られるメラトニン:網膜の傷つきやすさは体内時計で変わる

夜になると眠くなり、朝の光で目が覚める。この一日の変化を支えるホルモンとして、メラトニンはよく知られています。ところが、メラトニンが働く場所は脳の松果体だけではありません。光を受け取る網膜にも、自らメラトニンを作る仕組みが備わっています。

2026年7月に『Health Sciences Review』で公開されたレビューは、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、緑内障などを、酸化ストレスだけでなく概日リズムと代謝の乱れが重なる病態として捉え直しました。

研究チームが示したのは、メラトニンを単独の治療薬として見るより、光の時間、代謝ストレス、ミトコンドリアの状態に応じて網膜のレジリエンス、つまり負担を受けても機能を保つ力を変える調節因子として捉える考え方です。

記事の要点

  • メラトニンは松果体だけでなく網膜内でもAANATとHIOMTという酵素によって合成され、目の局所で昼夜の情報を伝えています。

  • 前臨床研究では、メラトニンが炎症、酸化ストレス、ミトコンドリア機能、血液網膜関門に働きかけ、網膜を保護する結果が重ねられています。

  • 研究チームは、効果を左右する用量と投与時刻、全身代謝との関係、網膜へ届ける新しい技術を、ヒトで検証することが次の課題だとしています。