食卓に置かれた白い塩。目玉焼きにひと振り、味噌汁の味を決める最後のひとつまみ。毎日なにげなく手にするこの塩を、少しだけ組成の違うものに替えるだけで、血圧や心臓の健康に差が出るかもしれない。
そんな提言が、2025年11月にオーストラリアの高血圧の専門家チームから発表されました。
使うのは「カリウム強化塩」。ふつうの塩に含まれるナトリウムの一部を、カリウムに置き換えた塩です。特別なサプリメントを足すのでもなく、減塩をがまんするのでもありません。いつもの塩を一対一で置き換えるだけ、という手軽さが注目を集めています。
今回は、この新しい提言が何を勧めているのか、どんな人に向いて、どんな人は避けたほうがよいのかを見ていきます。
記事の要点
2025年11月、オーストラリアの高血圧タスクフォースは、家庭で塩を使うなら普通の塩をカリウム強化塩(塩化ナトリウム約75%・塩化カリウム約25%)へ一対一で置き換えるよう勧める提言を発表しました。
大規模試験を統合した推計では、この置き換えで収縮期血圧が約4.6mmHg下がり、総死亡と主要な心血管イベントがいずれも約11%少なかったと報告されています。
一方で、腎臓の働きが落ちている人、カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤を使う人は、血中カリウムが上がりすぎる恐れがあるため対象外とされ、切り替え前の腎機能の確認が勧められています。