アーシングという考え方:体と大地をつなぐ習慣をめぐる研究

アーシングという考え方:体と大地をつなぐ習慣をめぐる研究

私たちは一日のほとんどを、靴を履き、床や舗装の上で過ごしています。スマートフォンやパソコンに触れる時間は長く、土や芝生の上を裸足で歩く機会は、ひと昔前と比べてずいぶん減りました。

こうした暮らしの変化に目を向けたのが「アーシング(earthing/grounding、接地)」という考え方です。

アーシングとは、裸足で地面に立つ、芝生の上を歩く、あるいは地面と電気的につながった器具を使うことで、体を大地と接触させる習慣を指します。

地球の表面には自由電子が豊富に存在し、その電子が体に伝わることで、炎症や睡眠、ストレスといった指標に変化が見られるのではないか、という仮説のもとに研究が進められてきました。

近年、健康やウェルネスの話題としてアーシングを見聞きする機会が増えています。一方で、どこまでが研究で確かめられていて、どこからが仮説の段階なのかは、意外と整理されていません。

今回は、レビュー論文や臨床研究を手がかりに、アーシングという考え方と、これまで報告されてきた内容を見ていきます。

記事の要点

  • アーシングは、裸足で地面に立つ、芝生を歩く、地面とつながった器具を使うなどして、体を大地と電気的に接触させる習慣を指し、地球表面の自由電子が体に伝わる点が仮説の中心とされています。
  • これまでの研究では、睡眠の改善、コルチゾールの日内リズムの正常化、痛みやストレスの軽減、自律神経のバランス、血液の流れやすさといった指標に変化が報告されています。
  • 研究の多くは小規模で、レビューや予備的な試験が中心です。日常では裸足で土や芝生に触れる時間を持つことから、無理なく取り入れられる習慣として位置づけられています。