最新|老化をスパンで捉え直す:寿命ではなく機能のピークを保つ視点

最新|老化をスパンで捉え直す:寿命ではなく機能のピークを保つ視点

日本は世界でも有数の長寿国です。2024年の平均寿命は女性が87.13歳、男性が81.09歳と報告されています。一方で、介護などを必要とせず自立して暮らせる健康寿命は、2022年の集計で男性72.57歳、女性75.45歳でした。

平均寿命と健康寿命の差は、男性で約8.5年、女性で約11.6年。長く生きられるようになった分だけ、思うように動けない時間も同じように伸びている、という見方ができます。

この差をどう縮めればよいのでしょうか。米国で機能性医学(ファンクショナル・メディシン)を実践する医師フランク・リップマン氏は2026年、スパン(spans)という考え方を示しました。

寿命の長さだけでも、病気のない年数だけでもなく、体と脳のさまざまな機能をどれだけ高い水準で保てているかで老化を捉え直す視点です。

本記事では、このスパンという考え方を整理し、日々の暮らしにどう取り入れられるかを見ていきます。

記事の要点

  • リップマン氏が提案するスパンは、寿命や病気のない年数だけでなく、心身の機能がピークに近い状態を保てる年数「ピークスパン」を中心に据えた、老化の新しい捉え方です。
  • 体と脳の働きは、エネルギー、筋力、睡眠、認知、代謝など十数個の「スパン」に分けて考えることができ、これらは互いに連鎖し合う関係にあると説明されています。
  • 睡眠や運動、食事といった身近な習慣が、複数のスパンを同時に引き上げる出発点になり、小さな一歩から始められると整理されています。